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目を覚ますと、蛍光灯の眩しい光が目に入った。
「諒!目が覚めた!?」
優がベッドサイドにいた。
優だけじゃなく、先輩たちに達也、げっ!澤本までいやがる!
「俺、生きてる?」
俺は不思議だった。
さすがに意識が飛んだ時はヤバイって思った。
「生きてるよ!ばかぁ。」
優が抱き着いてきた。
また泣いてる。
俺、今日は泣かせてばかりだな。
ごめん。
「でも、どうして病院にいるんだ?」
俺は不思議に思った。
「僕たちが救急車を呼んだんだよ。」
辰巳さんが笑みを浮かべながら答えてくれた。
「俺たち、お前の後をつけてたんだ。やばそうだったら助けるつもりだったんだけど、お前が以外とあっさりやっつけたから帰ろうとしたら、優ちゃんの悲鳴が聞こえてきてな。」
リュウさんがあとから続いた。
「幸い、急所ははずれてたから命に別状ないし、後遺症も大丈夫そうだ。」
学さんはパンを食べていた。
腹減ったなぁ。
「ありがとうございました。助かりました。」
俺は先輩たちに礼を言った。
すると、リュウさんが、
「感謝するなら優ちゃんにいいな。優ちゃんが止血してくれなかったら急所をはずれてても出血多量で命なかったぞ。あんま優ちゃんを心配させるなよ。」
と、優の背中を叩きながら言った。
「そうだったんすか。優、ありがとな。助かったよ。」
俺は優の頭を撫でた。
優はまだ泣いていた。
「じゃあ僕達は帰るよ。あんまり二人の邪魔しちゃいけないからね。」
辰巳さん達は帰っていった。
「椎名諒!」
澤本が暑苦しい声を出して俺の胸倉を掴んできた。
「な、なんだよ。」
「貴様!次、優さんを泣かせたら俺がお前を殺すからな!」
澤本はすごい勢いで俺をまくし立てると、俺を離して帰っていった。
「ったく、なんなんだよ。」
俺は崩れた服を直した。
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