傷痕

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「何の話してたの?」 優は買ってきた物を配りながら尋ねてきた。 ってかやっと飯だ! 「学校どうするかなって話しだよ。さすがにヤクザと喧嘩して指されましたなんて言えないからな。」 達也が答えてくれた。 相変わらず機転が聞いている。 「そうだよねぇ。確実に停学、悪ければ退学だよ。」 優は買ってきたメロンソーダを飲んでいた。 「何とかなるだろ?平気だって。」 俺はそういう問題を重く考えない。 なるようにしか、ならないからな。 「あとは警察だな。色々聞かれるぞ。医者も通報するだろうからな。」 達也はおにぎりを食べながら喋っている。 「何とかなるだろ?適当に言っておけば。」 これも深くは考えない。 「諒!アンタまたなんかしたの!?」 いきなりの怒鳴り声と共に勢いよく病室のドアが開いた。 嫌な予感。 「まったく!アンタはいつもいつも!」 あぁ、やっぱり。 「達也も達也よ!何かあったら諒を止めてねって言ったでしょ!?」 「お、俺のせい!?」 達也もとばっちりを食らいア然としている。 「ねぇ、誰?」 優が驚きながらも俺に聞いてきた。 「コイツは・・・、」 「あなたが優ちゃんね。諒から話は聞いてるわ。いつも馬鹿な弟が迷惑かけてごめんね。」 俺が話そうとしたのに! 「お、弟!?えぇ!!」 優はオーバーに驚いた。 そんなに驚く事か? 「私は諒の姉の望よ。よろしくね。」 「は、はい。」 優はア然としている。 そういえば会ったことないんだったな。 「何しに来たんだよ!」 「うるさい!アンタが刺されたから来たんじゃない!喧嘩はしても警察と病院の世話になるなって言ったでしょ!」 俺と望が言い合うと、望の平手が俺の頭を捉えた。 「いってえなぁ!こっちはケガ人だぞ!」 「そんなに元気なら関係ないでしょ!」 さらにもう一発飛んできた。 コイツ、いつか殺す。 「まぁ、いいわ。とりあえず心配ないわね。学校には適当に言っておくから早く治して帰ってらっしゃい。」 「はいはい。」 まさかの三発目が飛んで来た。 「いってぇ!なんだよ!」 「はい。は一回!」 くだらねぇ事ばかり言ってんなよ。 「私は仕事戻らなきゃだから、優ちゃん、諒をよろしくね。」 「え、あ、はい。」 優は何が何だか分かってないみたいだ。
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