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学校に戻ったときは始業ギリギリだった。
俺は軽く息を切らしながら教室にはいった。
まだ教師は来てない。
間に合ったぁ。
「諒!大丈夫だった?」
優が心配そうな顔で駆け寄って来た。
偶然、優とは同じクラスになった。
「平気だったよ。心配かけてごめんな。」
俺が笑顔を浮かべると、優も安心したのか、笑顔を浮かべた。
俺は優の笑顔が好きだ。
何度この顔に救われたことか。
「ってか、その後ろにいる人達は誰?」
優は唖然とした表情をしている。
俺は後ろを見ると、女がいた。一人ではなく、十人はいる。どうやら着いて来たようだ。
「相変わらずモテますなぁ。」
軽い口調が聞こえて来た。
女子を書き分けて出てきたのは、俺の仲間の井川達也だった。コイツとは幼稚園児の時からの腐れ縁だ。
なんでコイツがここにいるんだ?
「達也君じゃん!」
優も驚いている。
すると、達也は意地の悪い笑顔を浮かべた。
「実は俺もこの高校なんだなぁ!」
知らなかった。
コイツ一言も言わないで。
「アタシ、達也君って浪人生になるって聞いた気がする。」
優はまだ驚きがおさまらないようだ。
「んなわけないじゃん!俺だってやれば出来るんだよ!」
達也はそういうと高笑いをした。
相変わらずコイツの笑い方はウザイ。
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