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ホームルームが終わり、俺達は入学式の会場である体育館にむかった。
入学式も滞りなく終わり、生徒は全員教室に戻った。そして、終業のホームルームが始まった。
「じゃあみんな明日からまたよろしくな!配った紙に入りたいクラブや委員会があれば書いてくれ!参加は自由だ!」
若い教師が壇上で話をしていた俺のクラスの担任だ。相馬毅という名前だそうで、体格はよく運動系の熱血派そうな教師だ。
相馬の話が終わると優が俺の机まできた。
「ねぇ!諒はなんか部活やるの?」
優はさっき配られた紙を見せながら聞いて来た。
「当然!サッカー!」
「サッカーやるの!?なんか中学卒業の前にもう俺の敵はいねぇ!みたいな事言ってたじゃん!」
優は驚いている。
「いいだろ?やっぱーサッカーやりてぇんだから。」
俺がそういうと優は笑顔を浮かべた。
「そっか!じゃあ頑張れ!」
「ああ。任しとけ!」
去年、優がサッカーしてる俺が楽しそうで好きだって言ってくれたからな。
だからまたサッカーやりたくなったんだ。
優の笑顔みたいから。
ってこんなこと恥ずかしくて優には言えないけどな。
「優は何かやるのか?」
俺が優に尋ねると優はまた笑顔を浮かべた。
「アタシは料理部!料理勉強するんだ!」
「そういえば優の料理って食べたことないなぁ。」
「料理とか作ったことないからね。昨日ママと話してたら、もう高校生なんだから花嫁修業しなさいって言われたんだぁ。」
俺は唖然とした。
「まだ今年16歳なのに花嫁修業か!?早いだろ?」
「う~ん。アタシもそう思うんだけどね。でもママが相手さえいれば、高校卒業したらさっさと結婚しなさいって言っててさ。」
「すげぇ母親だな。」
そういえば優は大財閥の会長の娘だったな。
さっさと跡継ぎでも欲しいのかな。
「諒!優!一緒に帰ろうぜ!」
教室の外から達也が叫んできた。
「今行く!」
優は達也に答えると自分の机から鞄をとり、俺の手を引っ張った。
「わかったから引っ張るなよ!」
俺がそういっても優は聞く耳もたずだった。
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