入学式

8/8
前へ
/107ページ
次へ
俺はまっすぐ帰るつもりだったのに、三人で喫茶店に来るはめになった。 俺はコーヒー。優はメロンソーダ。達也はコーラを飲んでいる。 「達也は何か部活入るのか?」 俺はコーヒーに砂糖とミルクを入れてスプーンで混ぜながら達也に尋ねた。 「当然サッカーだろ!?」 達也は親指を立てた。 「じゃあ中学生の時みたいに黄金のツートップ復活だね!」 「まぁな。俺と諒じゃ中学生レベルだと物足りないからな。」 俺はコーヒーを一口飲んだ。 中々いい味だ。 「なぁ、達也。うちらプロにならねぇか?」 俺は以前から考えてた事を達也に言った。 達也は俺のいきなりの言葉にコーラが口から吹き出そうになった。 「どうしたんだよ!いきなり!昔は散々なろうぜ!って誘っても興味なさそうだったのに!」 達也はかなり驚いている。俺の横では優も唖然としている。 「よくよく考えてたみたら、それ以外にやりたいことってないからさ。」 達也は俺の言葉を聞くと涙目になった。 「お、お前。ついに分かってくれたんだな!?俺は昔からプロになりたかったけど諒とじゃなきゃサッカーやってても楽しくないから諦めてたのに。」 達也の両目には段々涙がたまってきた。 こりゃ決壊寸前だな。 「悪かったな。まずは高校でトップを取ってからだ。」 「おぅ!」 俺の言葉に達也が答えると達也は涙を拭った。 「二人とも頑張ってね!」 優も嬉しそうにしている。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加