決着

7/14
前へ
/235ページ
次へ
夜蝶会の奴らが動揺していた。 なんとそこには、初代だけではなく、二代目や三代目といった、夜蝶歴代の総長の面々が現れ出した。 「いや~ひっさびさに、暴れたが、俺らもまだ体は錆びちゃねぇわい」 まさか、夜蝶会初代総長が佐々木さんだったとは…… そういや、夜蝶(渚)に送って貰ったとき、やけに詳しかったし、嬉しそうに話してたもんなぁ… 「おい!オッサン!本当に新生夜蝶会を潰したってぇのか?」 吉田は佐々木さんに向かって言った。 すると、佐々木さんはいつもの温厚な目と違い、鋭い眼光で吉田を見据えた。 「…うっ…」 流石の吉田もたじろぐ。 「おめぇが親玉かい……あん時はいい奴だと思ったんだがな…」 あの時? …あぁ、俺が病院でバイト休むって代わりに頭下げてくれたんだっけな。 「くそぅ、俺が苦労して作った軍隊を! オッサンが何してくれるんだ!?」 「じゃあかぁしぃ!!」 「くっ…」 …ビリビリ… 佐々木さんが叫ぶ一言で吉田どころか、俺まで気迫に倒れそうになる。 「何情けない事言ってんだ!男なら、体一つでぶつからんか!! 仲間って言うのは軍隊のように使うんとちゃう!? 助け合うんじゃ! だから先ず先頭の奴が見せなきゃいかん!」 佐々木さん… 「どれ、ここは一つ、俺がその曲がった根性叩き直してやる!」 佐々木さんはそう言いながら、準備運動をし始めた。 「佐々木さん、ちょと待って下さい!」 俺は一歩前に出て、言った。 「吉田とは俺にやらせて下さい!」 そうだろう? これは俺がシメなきゃいけないんだ。 ダチとして。 「よぅ言った!順ちゃん…気張りな若造!」
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14006人が本棚に入れています
本棚に追加