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「順平……お前俺を倒せるとでも思ってるのか?」
「……」
正直、あんまり俺達の強さに差はないと思っている。
「お前がキレたら誰も手が出せないと思うが、シラフの順平なんて、怖くはないさ!」
吉田がやけに突っ掛かってくる。
でも俺は、正直言ったら、負けない自信がある。
いつものような余裕さが吉田には見当たらなくなってるからだ。
先程まであった、巨大な力。
それが無になったんだ、動揺しないわけない。
解りやすく言えば、一億の宝くじが当たった券を、ペットにビリビリにされたイメージだよね。
うん。辛い。
それ以外にも、まだ余裕のなさが伺えるが、先ずはごちゃごちゃ考える前に、吉田をぶっ飛ばす!
後でゆっくり話を聞いてやろうとするか。
「…吉田……俺がお前をこうさせたなら、俺が悪かったんだろう…だけどな!沢山の人を巻き込み過ぎだ!
俺の手でぶっ飛ばしてやるから、後でたっぷり文句言え!」
「はっ!かっこつけやがって!そんな所から憎たらしいんだよ!
やれるもんならやってみろ!」
「お望み通りに!?」
先ずは俺から仕掛けた。
体制を低くし、吉田の足を取るような格好で間合いを埋める。
二人の最後の喧嘩が幕を上げた。
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