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‡黒と僕とあの子‡
…町ですれ違ったあの子は、凄く綺麗な青い瞳をしていた。
僕は、あの子に『綺麗だね』…と、言った。
ラムネの瓶の底のビー玉みたいで…
本当に綺麗だったんだ。
それから、僕とあの子は…
公園のお砂場に、タンポポの種を植えて遊んだ。
此処を一面タンポポ畑にするんだ。
一面のタンポポ畑を見たら、最近暗い顔をしてる母ちゃんも…
遠くに行ってる父ちゃんも…
喜んでくれる気がした。
でも、母ちゃん達が…
あの子とは、遊んじゃ駄目だって…言うんだ。
どうしてだろう?あんなに、綺麗な瞳なのに…
…大人はみんな青い瞳が、怖い…らしい。
じぃちゃんも、ばぁちゃんも…
でも、僕は…
大人になっても、きっと…怖くは…ならないと、思う。
だって…
あの子も、僕の黒い瞳を…
怖がったりした事は、一度もなかったんだ…。
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