‡黒と僕とあの子‡

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翌日、兵士に見つけられた二人は… あの公園の砂場で、しっかり手を繋いで… まるで、眠っているようだった。 もう、目を覚ます事のない… 幼い二人は、知る事はなかった…。 この国は、戦争の真っ只中で… お互いに敵国の出身だった事…。 …黒の正体は、戦闘機の放った爆弾で炎上して、上がった煙だという事を… そう…知らなかった。 …それから、十数年が経った… けれど、両方の国の人に未だ傷跡を残し… 決して、塞がれる事はなく… 心に大きな傷を抱えながら、一人一人が大切な人の為に…今を生きようとしていた。 二人の倒れていた、公園だった所は… 今は、病院になった。 そして… あの、お砂場には… 今は… タンポポが揺れている、という。 ~END~image=350188171.jpg
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