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家族全員で、函館に行った。
まだ桜は咲いてなさそうだったけど、
お花見に行ったんだ。
当然、咲いてなかった。
けど、空気がキレイで少しだけ桜にも花がついてて、
何よりもおばあちゃんが楽しそうで。
この時は、病気のことを忘れていた。
と、いうより、もうほとんど治ったのだと、
勝手に思っていた。
ほんと、自分を恨む。
勝手で、何もわかってない。
いや、分かろうとしなかったのかもしれない。
今じゃ凄く後悔してる。
だけど、おばあちゃんが楽しそうだったのが、
凄く嬉しい。
良かったって思えた。
でも、この時は元気だったのに。
そう、誰もが後から思った。
5月1日から、
ばあちゃんはまた入院した。
そして、お母さんは、
「なるべくおばあちゃんに会いに行きましょう。いつ会えなくなるかわからない。」
そう言った。
私は、この一言で、
おばあちゃんの容態の悪さが分かった。
この時既に、ばぁちゃんの発病から二年以上経っていた。
私は、高校二年になっていた。
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