40人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ、雛さん……」
「何?」
「やっぱり世話になりっぱなしなのはどうにも気が引ける。」
「気が引けるって……
じゃあ、どうするの?何かできるの?」
今は朝。柔らかい日差しが窓から差し込みテーブルを照らす。
雛さんは紅茶の入ったカップに手を伸ばし、ゆっくりと口元に運ぶ。
そして俺はそんな彼女を前にして言葉を失う。
「正直……一週間以上も世話になっていて、今更過ぎるのよ。私への遠慮なんて。
命令が欲しいってのなら今はこれだけ。
『気にするな。』よ。」
キッパリと言われてしまった。もう、返す言葉がないどころか、じっとただ聞くことすら体力を消耗してしまう。
何とも思い朝食になったものだ。重くしたのは自分なのだが。
最初のコメントを投稿しよう!