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「意外にも疲れているのかしら……?」
そして雛さんに起こされた次第だ。推測するに何度も俺の名前を呼んでいたようだ。
「あー……よく寝ちまったなぁ。
もう昼?」
「いいえ、まだもう少しあるわ。
少々ヒマになったから起こしただけ。」
「そうかい。
で、俺を起こしてどうやってヒマを潰すんだ?」
「人間時代の話でも聞こうかと。」
「?
そんなんでヒマが潰れるとは思えないが、聞きたいことがあるならどうぞ。」
「そうね。確か遷里は猟師だったのよねぇ……?
具体的には何を狩ってたの?」
「う~ん……
食えるもので狩れるものは大抵狩ってたな。
そうだな。一番狩るのが好きだったのはやっぱり鹿だな。勿論程度はわきまえて狩ってたけど。」
「へぇ~
何で鹿なの?」
「狩るのが難しいからかな。めちゃめちゃ狩り甲斐があるんだ。
後、ウマいし。」
「へぇ~、美味しいんだ。
私、鹿って食べたことないのよねぇ……。」
俺の別段何ともない話にも、雛さんは顔近付けて真面目に食い付いてくれた。
「そうかい、意外だな。里の店にもあるってのに。
ホントにウマいから一回食べてみるといいよ。」
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