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「ホントに好きなのね鹿の肉が。」
「ああ!一番の好物と言っても過言じゃないな。」
「そう。
じゃあ、妖獣の肉は?」
「……!
もう、勘弁して欲しい……」
「勘弁って、食べたのは貴方の意志のみでしょう?」
「いや、だって、あの時は腹減って死にそうだったし……」
そうなのだ。山で遭難し、極度の空腹に遭った時に俺が食べた肉というのは実は妖獣の肉だったのだ。
空腹のせいで何の疑いも持たず食べたのだ。
結果……
「しっかし……えらい伸びたわね。
髪……」
「………。」
伸びただけではない。色も見事に抜け毛先の部分を残し真っ白になってしまった。
「ホント、一瞬のことだったんだけどねぇ……」
何回も聞いた雛さんの話では気を失っていた俺が突然うなされたかと思ったら、一気に髪が伸び、ある程度伸びると色も白くなっていたらしい。
「どうするの?
切ったげようか?
ま、私的には今の方が好きなんだけど……」
「それなら別にいいよ。
今のところさして邪魔にもなってないしさ。」
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