静かなる姫君
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急いだ。 が、やはり出発の遅れが響いた。日が沈む。 「よし、止まれ!今日はここで夜営する。支度にかかれ!」 「あ、もう俺の足終わったかも」 宗介が呻いた。 青田の号令一下、侍達は足を引きずりながらも、 各々幕を張ったり、薪を拾いに向かう。晋次も手伝いに林に入ろうとした。 「……晋次、」 いつの間に抜け出したのだろう。初音が木陰から晋次を手招きしている。
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