静かなる姫君

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だがまたすぐに二人の間に沈黙が流れる。 爽やかな虫の鳴き声が辺りに響いていた。 「……俺ってダメだよな」 とにかく何か話そうと晋次が口を開く。 「何やっても長続きしないし、家だって潰したし。 ……お前のこともかばってやれなかった……」 何言ってんだ俺。 何で俺が悩みを打ち明けてるんだろう。 晋次は頭を掻きむしった。 「そんなことないよ」 初音はちょっと首をかしげて優しく言った。 三日月に照らされた初音の肌はなお、月より白い。
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