静かなる姫君

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「それにね、私父上も恨んでなんかないし、これで良かったって思ってるの。 こんなことしか女の私が役に立てることなんてないし。 ……晋次、私頑張るから」 「初音は俺なんかより余程強いよ …なんか、ホッとした」 そのまま、しばらく月を見ながら二人はそこに佇んだ。 心地よい柔らかな風が、心と体を吹き抜けていく。 初音と通じあえているとわかることは嬉しくもあり、悲しくもあった。 これからはもう、ほとんど会うことはないだろう。 ……初音って俺にとって何だったんだろう? 「さーーがーーわァァァ!」 あ、やべ、宗介先輩だ。
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