静かなる姫君

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初音が顔の無い男と幸せな家庭を築くのを想像してみた。 途端に何かを蹴飛ばしたい衝動に駆られたのでやめた。 何でだ? それでいいじゃないか。 初音は俺にとっては幼なじみであり、兄弟であり、仕えている主人の娘だ。 それ以上でも以下でもない。 晋次はまた寝返りをうつ。 もう止めよう。何でもないんだ、何でも…… いつの間にか、晋次も微睡みの中に落ちていった。
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