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まじりけのない青空。
流れる雲に夏の匂いを感じた。
大きく仰いだ空では、大きな雲と一緒に熱を含んだ風がきゃらきゃらと笑い声をあげなから走り回っていた。
君からの手紙。
夏が来る前にきまってやってくる手紙。
懐かしい匂いにひたり、読み返し読み返しては涙を溢す僕の目蓋。
今年もそろそろ届くころかな。
何処までも青い空を見上げた。
風に乗って、魚の雲が流れている。
いつかふたりで乗るときは、大声で笑おう。
目蓋を閉じれば君の笑顔。
僕よりずっと歳上になった君。
手紙の返事は出せないけど。
ずっと待ち続けるから。
ずっと。
ずっと。
太陽の眩しさに少し
涙がこぼれた。
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