再会ハ無情

5/12
前へ
/42ページ
次へ
ガシャーン!!! またか… 『ゆうり』の父親が暴れている 『ゆうり』は急いで『ゆうき』の部屋へ ゆうき「お兄ちゃん!!」 ゆうり「怪我ないか!?」 ゆうき「僕は平気だけど、ママは…」 『ゆうき』は家中に鳴り響く破壊音に堪えきれず、机の下へ潜り込み耳を塞いでいる。 ゆうり「見てくる」 ゆうき「待って!行かないで!!お兄ちゃん!!」 『ゆうき』は恐ろしいのかガタガタと奮え、兄の腕を掴み懇願している。 M「おい、俺が見てきてやるよ。お前は弟といてやれよ」 ゆうり「…なんで、お前…」 ゆうき「お兄ちゃん?誰と話てんの?」 ゆうり「あ、いや…」 M「気まぐれだ。気にするな」 縋り付く弟を抱きしめる『ゆうり』から離れ、音のするリビングへ… これも禁則事項… 何やってんだ?俺は… リビングでは、散々暴行を受けたと思われる母親が床に倒れていた。 他の死に神がいない事を考えると、彼女はこの男の暴力では、あちらからの迎えは来ないって事か… それもまた、つらいな… 父親はまだ足りないのか破壊行為を継続している。 きっと、手入れされた温かみのあるリビングだったろうに、今は裏路地のたまり場より悪い。 こんな所に『ゆうり』が来たら、父親とトラブルになるだろう。 ただでさえ、辛いってのに、わざわざ苦しみに怒りに身を置く事はない。 死に神に必要なのか不思議に思うんだが、死にかけの人間の傷を癒す力ってヤツを使って母親の傷を癒し、父親には少々手荒いが蹴り1つ入れて眠ってもらった。 あぁ…益々自分がしている事がわからない…
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加