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それから二時間後
小原家の茶の間では『あること』が行われていた
父「さぁて、どうしたもんかね?この子の名前」
一真「いざ名前を決めようとすると難しいもんだね。」
父「そうだよ?なにしろ新しい家族の名前を決めるわけだから、時間がかかるのはしょうがない」
子猫の名前がなかなか決まらず悩む父と子。
そこに夕飯の後片付けを終えた母がエプロンで手を拭きながら茶の間に入ってくる
母「あらら.......まだ唸ってるの?二人とも」
父「しょうがないじゃん、決まらないんだからぁ」
父は苦笑いしながら頬をポリポリかく
母「ちなみにどんな案が出たの?」
父「初手はこの子猫の模様がトラだから『トラ』でいいんじゃねえのか?って言ったら息子殿から即答でNOと言われまして」
一真「だって浩一君の家の猫もトラ柄だから『トラ』だしさぁ。ごっちゃになるからダメッ」
父「...........他にも『タロウ』とか『ミッキー』とか『ケンシロウ』とか案を出したんだけど、ことごとくNO」
母「........ケンシロウはさすがに(笑)」
父「いや、いたからね?オレのダチんとこのネコの名前ケンシロウだからね」
一真「この子......メスだし」
父「そう、それが判明したんでオレの案、全部パー」
母「..........例えオスでも全部パーだったと思うよ?」
父「.......バッサリ切り捨てられちった。お父さんショックを隠しきれません(泣)」
母「バカなこと言ってないで早く名前を決めてあげましょ?」
父「は........ハイ」
さらに30分経過....
一真「.........うぅ~、なかなか決まらないよ、お前の名前」
一真のあぐらの中で丸まって寝ている子猫に喋りかける。
トゥルルルルル......トゥルルルルル
父「ったく、こんな時間に誰や?」
気だるそうに父は電話がある玄関に足を運ぶ
ガチャ
父「もしもし、小原です......おぉ、どうした?そっちの現場に何か不具合でもあったか?.......あらら(笑)」
どうやら父の職場の仲間から電話のようだ
父は鉄工所で働いていて、他県の現場に出張に行くことも結構ある。今回は出張を免れたようだが、出張先の仲間から度々助言を求める電話を受けていた
一真「父さん大変だねぇ」
母「昔からね。母さんと結婚する前はもっと忙しかったんだから」
一真「へぇ~」
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