ファーストメモリー

2/5
前へ
/20ページ
次へ
ミリとの出会いは小原 一真が小学校四年の頃。 学校帰り、いつものように仲のいい友達と帰路に向かっていた 一真「今日も慶ちゃんの家に遊び行っていい?」 慶次「うん、いいよ?今日も雅人来るし、また格ゲー勝負?」 金田 慶次 一真とは幼稚園からの馴染み 一真「もちろん勝負だよ!このごろ慶ちゃんに敗けっぱなしだからねぇ。今日こそは勝つからね!?」 慶次「無駄無駄!まだ一真君にオレは倒せないよ(笑)」 一真「あッ!慶ちゃんムカつく~」 一真は慶次にちょっかいを出す。 慶次「ははは、冗談だから~。すぐ来る?」 一真「うん、カバン置いたら直ぐに行く」 慶次「わかった。んじゃ後でね」 一真「ハイよ。じゃあ一旦バイバ~イ」 これがいつもの二人のパターンだった。毎日と言っていいほど一真は慶次の家に入り浸っていた 両親が仕事で帰りが遅く、寂しい思いをしていた一真にとっては毎日のように遊びに付き合ってくれる慶次は数少ない親友だ 一真は慶次と別れ、猛ダッシュで家に帰る 一真「ただいま~っと........」 誰もいない自宅に帰宅の挨拶をして靴を脱ぎ捨て、二階にある自分の部屋に急ぎ、勉強机の上にカバンを乱暴に放り投げ、勢いよく階段を降りる。 一真「よっ!と」 階段を降りきり、玄関に向かい、脱ぎ捨てた靴を拾う。急いでいるせいか上手く履かさらない 一真「チッ!なんだよもうぅ」 その時 ダァンッ!!!! 一真「!?」 外から何かぶつかる音がした 一真「.........何だ?」 一真は家の敷地に面している道路を見に行く 一真「ッ!!.............猫」 一真の目の前には道路のど真ん中で横たわる血だらけの白猫。おそらく車に引かれたのだろう。近くに行けば行くほどその猫の損壊は酷くなり、一真はそれ以上近寄れなかった 一真「うッ!!......ぐぅ」 猫の無惨な姿に一真は目を背ける ミィー、ミィー、ミィー 一真「ん!?」 子猫らしき鳴き声が耳に入り、一真は目を逸らした猫の亡骸に再び視線を向ける。そこには息絶えた白猫にすがり付く子猫の姿があった。動かなくなった親に必死で応答を求め、顔をこすり付け鳴き続ける子猫。その親子を交わしながら道路を通過する車。このままでは子猫まで車に殺される。そう感じた一真は躊躇することなく子猫を保護した 一真「..........可哀想に....」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加