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その日、仕事を終え帰宅した父親に一真は子猫を飼いたいとせがむ
父「ダメだ........捨ててこい」
いつもならこの言葉で諦める一真も、今回ばかりは
一真「イヤだッ!!絶対諦めないッ!!父さんが飼ってもいいって言うまで、オレ、諦めないからッ!!」
食いつく息子に母親も味方する
母「いいじゃないの~、飼ってあげましょうよ」
父「ダメだ。許さねえ」
父親の無慈悲な態度に一真は怒りを露にする
一真「何でだよッ!!何でペットのことだけ、いつもダメダメっていうんだよッ!!」
父「何を言っても無駄だ。捨ててこい」
一真「イヤだッ!!!!」
一真の態度に晩酌していた父親は酒の手を止める
父「そうか......自分じゃ捨てられねえか........ならオレが捨ててきてやる」
父親は一真の腕の中の子猫を力ずくで奪い、家を出る
一真「ッ!!父さんッ!!!!」
一時間、一真は父親の姿を探し、そこらを探し回った
一真「父さぁんッ!!!!どこッ!!??..............ッ!!」
川の水門で一真は父親の姿を見つける
一真「父さんッ!!!!」
駆け寄るものの、父親は轟々と流れ落ちる水門を眺めるばかりで息子を見ようとはしなかった
一真「ハァ...........ハァ...........ハァ...........あの猫はッ!!??」
父「..........落とした」
一真「ッ!!!!!!!!!!!!」
一真は慌てて水門を見下ろすが、月夜に照らされる暗黒の激流の中に子猫の姿を見ることはできない
瞬間
一真は父親に物凄い勢いで掴みかかる
一真「ッ!!!!!!!!!!!!何でだよぉッ!!!!何でぇッ!!!!.........何で..............なんでぇ............」
父「一真........お前はあの猫をちゃんと面倒みるつもりだったのか?」
一真「ああッ!!!!」
一真は反抗的に父親の問いに答える
父「あの猫と最後まで付き合う覚悟はあったんだな?」
一真「ああッ!!!!」
同じく反抗的に
父「ああそうかよッ!!なら、あの猫が死んじまう時も、お前は自分の生活を狂わすことなく、生活できる保証があるんだなッ!!??」
一真「ッ!!??..............」
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