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ぽかぽかと暖かくなった陽気のある日
トン。トン。トン。
とゆっくりと階段を降りてくる1人の女性がいた。
つまらなさそうな表情を浮かべた杏樹だった。
寝癖のように所々跳ねた髪も気にした様子も見せず、ラフなシャツにミニスカと言った格好の杏樹は、欠伸をこぼしながら「あぁ…暇ねぇ…」などとこぼしていた。
ちなみに只今昼の二時近くで、今まで爆睡していた杏樹にその言葉を吐く資格はないのだが、幸か不幸か誰もツッコむ者はいなかった。
階段を降りきった杏樹は、「ん…!」と小さなうめき声をこぼしながら伸びをすると──
キュルルル~…
「……」
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