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【同時刻】
「またね、鈴」
と着飾った女性が言う
「またいらして下さい」
明るい部屋の小さな円卓に座ったまま
白い艶やかな着物を着た少年が返す
ガタンと扉の音を鳴らしながら女性が出て行く
入れ替わりに着物を着た少女が入って来た
「鈴ったらまたそんな顔して…」
意味ありげな笑みを浮かべて問う
「なんだよ…」
「『行かないで下さい』みたいな表情をしてさ」
「僕そんな表情してた?」
「寂しかったの?」
「まさか…」
「寂しいなら私を抱く?」
少女はまるで話を聞いてないように言った
「へぇ~良いの?」
「どーぞ」
「やーめた…僕体を重ねることに興味ないから…」
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