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「――あっ! 流れ星!」
満天の星空の下、静かに夜風が吹く丘の上で、仰向けで寝転んでいた少女が勢いよく起き上がり指を指した。
「流れ星くらいで、はしゃぐなよ……」
少女の右隣りに寝転んでいた少女と同じくらいの歳の少年がゆっくりと起き上がり、呆れた様に言った。
「別に、いーじゃん!」
それを聞いて、頬を膨らませながら怒る少女。
「なんで流れ星に願いを唱えると願いが叶うっていうんだろう」
先ほどの少年とは逆側の、少女の左隣りに寝転ぶ、やはり同じくらいの歳の少年が呟いた。
「さぁ、分からないけど要は願うことが重要なんじゃないか?」
「――え?」
「よく言うだろ?
強く願えば願いは叶うって」
「あぁ! 病気の人が治りたいって願い続けると本当に治ることがある、みたいなことね!」
その呟きにもう1人の少年が反応し、その言葉に少女が自分が知ってる例を挙げ、納得した。
「――じゃあ、僕達の願いも強く願えば叶うのかな?」
「そうだな。願い事でもするか」
「そうだね! しようよ!」
少女の賛同の言葉を聞き、少女の左隣りに寝転んでいた少年はゆっくりと身体を起こした。
他の2人は、既に目をつむりそれぞれの願いを願っている。
少年は、その様子をチラリと確認すると自らも目をつむり、自らの願いを願い始める。
――やがて、3人は瞼を開けた
――それぞれの願いを胸に秘めて
そして少年はもう一度、自分の願いを思い返す
――これから先も3人が別れることがないように
3人の心が繋がっているように――。
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