君の

3/4
前へ
/36ページ
次へ
だから、知りたかった だけど、あの日を境目に 瞳は俺と話してくれなくなった きっと、この間の事だ でも、俺はどうしても話したくて瞳の病室に行ったんだ 瞳は病院の先生と話していたんだ 聞いてはいけないと思ったけど俺は聞いたんだ 瞳は悲しそうに先生と話していたんだ 「先生、私はあとどれくらい生きていられるの?」って 俺は瞳が何を言ってるのか分からなかった 瞳が死ぬなんて嫌だったから そんなこと信じたくなかった 先生は「長くて三ヶ月、短くて一ヶ月だね」って言ったんだ 俺は無意識のうちに涙を流していたんだ 瞳は、「残りの人生楽しく生きたい、恋をしたいな」って言ったんだ 先生は悲しそうな表情で瞳を見つめて 「悔いのない人生を生きなさい」って言ったんだ 医者がそんなことを言ってもいいのかな?って思ったけど それがきっと先生が瞳にしてあげられる事だったんだね
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加