プロローグ

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さっそくパジャマに着替え、未来の愛情のこもったセーターも着る。 離脱成功への力をもらえそうな、そんな気がしたからだ。 カーテンを閉めて電気も消す。 ベッドに仰向けに寝て、両手は体から少し離し、手のひらを上に向ける。 ヨガの休息のポーズというやつだ。 ゆっくりと深呼吸しながら、時間をかけて全身の筋肉を脱力させ、肉体の感覚が消失するぐらいまでリラックスさせる。 まるで体が消えてしまったかのように。 眠りに落ちるギリギリまで意識し続け、まどろみ状態を維持しながら、約1メートルの高さから寝ている自分を見下ろす姿をイメージする。 しばらくすると金縛り状態になり、耳鳴りとともに、体が細かく振動する感覚がおこる。 これは初めての体験だ。 意識を見下ろしている自分に移すイメージを辛抱強く続けていると、頭からにゅるっともうひとつの体へ引っ張られる感じがして、ついに体から抜け出ることに成功したのだった! きっとセーターのお陰に違いない。image=428294378.jpg
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