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「和火がGクラスなんて意外よね……何かあそこまで落ち着かれると、取り乱した私が馬鹿見たいじゃない……」
見たいじゃなくて……正真正銘のば……。
「拓斗……いらない事考えたら、後ろから頭潰すわよ……」
「は・は・は!そんな事考える訳ないじゃないか咲き……! ほんと咲きったら……は・は・は!」
どれだけ勘が良いんだか……。
そろそろ咲きエスパー説を唱える時が来たのかも知れない……。
「なに? その変な笑いかた……? ていうか次自己紹介するのも前同じクラスだった奴よ……だからちゃんと前見なさい……!」
咲きはそう言いながら後ろの咲きの方を向いていた僕の後頭部をわしづかみにして、無理矢理前を向かせる……。
頭が潰れそうだ……。
僕が前を向くと、和火の次の列の一番前の席で自己紹介している少し弱弱した感じの男子がいた。
「ぼ!……ぼ……僕の! なっ! 名前は! 空囲直木! 《からい、なおき》とっ! と言います! よろしくお願いします!」
直木は(君付けは何かおかしいので呼び捨て)焦りに焦り、すぐに席に座る。
……焦り過ぎて自分の所属クラブを言い忘れているし……でも……ん?
「直木って……どんな奴だっけ……?」
僕がそう言うと咲きはとても残念な奴を見る様な眼で僕を見る……やめろ……そんな眼で僕を見るな……。
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