ある朝突然…

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今年に入り、私達はすぐに夫の祖父母の住んでいた家をリフォームして、引越してきた 狭苦しいアパートと違い、庭もあり、そこには見事な桜の木もあった 部屋も二階に二部屋、一階は台所、居間、風呂、トイレと私達には広すぎるくらいのものだった 桜は綺麗に花を咲かせ、私は感動に浸っていた 『海里(カイリ)今日の夕飯何かリクエストある?』と私は夫の海里に聞いた 『そうだな…久しぶりに空(ソラ)のスープカレーがいいな』と海里は答えた 私はいってらっしゃいと玄関まで送り、洗濯物を庭に干していた 夫、谷崎海里35歳 妻、谷崎空28歳 二人の長いお別れの前の会話だった
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