ある朝突然…

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気がつくと私は縁側に倒れていた 夢だよね?そう思い、もう一度電話をした。同じガイダンスが流れる 海里の実家にも電話したが、顔も出してない 友達のお宅にも電話してみたが訪ねた様子もない もう一日待ってみよう…何か連絡があるはず 私はその日、何も食べずに海里を待った 家の電話が鳴った 私はびくっとして受話器を取る 『もしもし…海里?』 『いえ、友人の桜井です』 『ああ…あの何か』 『今日家内に聞いたのですが、海里がうちに顔を出さなかったかと奥さんから電話があったと…何かありましたか?』 桜井圭吾さんは、海里の高校時代からの友人である。今でも深い付き合いがあり、海里も一番信頼している 『昨日から帰って来ないんです…昨日は会社にもいったはずなのに…昨日から会社休んでて』 『実家にも連絡した?』 『はい、しました。でもまだ詳しい事情は話してません…今晩帰らなかったら…警察にも相談しようと思って…』 『そのほうがいい。会社や実家にも連絡するんだよ?』 『はい、ご心配かけます』 桜井さんにも連絡してないんだ…一体どうしたの?海里 その夜はとても長く、そして花冷えのする夜だった
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