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翌日、桜井さんが病院に来てくれた
『空ちゃん、おめでとう!可愛いね。それといい報せだ。公衆電話だけど、今日海里から連絡あったよ。今奴は都内のネットカフェにいるみたいだ
今日会う約束してきたよ。説得して家に戻るようにさせるから
何か伝える事ないかい?』
『名前、決めてくださいって伝えてください。それだけでいいです』
『それだけでいいの?』
『今はそれだけでいいです。名前はお父さんの役目ですから』
わかったと桜井さんは笑って部屋を出た
泣くとお乳を飲む赤ちゃん…上手く授乳ができなくて、助産婦さんに指導してもらった
まだまだ慣れなくて抱っこも下手だ
オムツの取り替えも下手だった
『初めはみんなそうですよ。焦らないでください』と慰めてもらった
なんとか初めて、無事一日赤ちゃんと過ごせた
翌日、桜井さんがまた来てくれた
『こんにちは、ちびちゃん。昨日会ってきたよ、海里に』
『元気にしてましたか?』
『少し痩せてたね…病院には一度くるけど、家に帰るのはもう少し待ってくれって。帰り難いんだと思うよ…九ヶ月も空ちゃん放置してたんだからね…それについては俺にも責任ある!すまない!』
『今回の事は皆の優しさから出た嘘ですから…恨んだりとかありません。勿論、美月さんの事だって海里の事だって…まあ失踪騒ぎになって、刑事さんには迷惑かけましたけどね』
『警察にはおばさん達が話ししに行ったらしいよ…謝ってきたって』
と桜井さんは申し訳なさそうに俯いた
『とにかく私は待ちます。まずは病院で話します』
私は笑って桜井さんを見た
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