枯れ葉のバラード

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涼しい風というより、寒い風が吹き始めた 私は洋服の更衣をしていた 海里の両親はもうベビータンスやベビーベットをもってきた 柔らかい布団に可愛いドーナツ型の枕 お義母さんはどうやら女の子が欲しいらしく、ピンクの赤ちゃん服を持ってくる 負けじとお義父さんは、乗り物のおもちゃを持ってきた もう私以外の人は赤ちゃん中心で回っていた 深夜、また電話がかかってきた 公衆電話じゃなかった、非通知である 『海里?携帯から?』 『…』 『今どこ?』 『…』何か聞き取れない音か声が聞こえる 『ごめ…ん…なさ…い』か細くて、虫の鳴くような女の人の声だった 『あの、誰なんですか?』 苦しそうな息が聞こえたと思うと電話は切れた ごめんなさい いったいなんなんだろう? 間違い電話?それとも海里に関係ある? まったくわからなかった 翌朝、私はふとあれは美月さん?と思ってしまった それ以降、非通知の電話はこない 同時に無言電話もこなくなってしまった 私は桜井さんに電話した 『この前、美月さんから電話ありましたよ…』と 『まさか』と桜井さんは笑った 『ホントです。ごめんなさいって』 『ホントなのかい?』 『はい』 『あの時の電話は…空ちゃんにだったのか…』 まるで気の抜けたような声で、桜井さんは言った そして全て話そう… そう言って電話を切った
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