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何度かけてもつながらない携帯に若干苛立ちを覚え始めた僕は、ついにかけることをあきらめた。
冷蔵庫にいれて間もない生ぬるい缶ビールを手に野球観戦を始めた。
普段なら先に夕食を済ませていたのだが、その日は3回目の結婚記念日だった。
驚かせようとつたない腕ではあったが手料理を作っていた。
時計を見ると8時をまわっていた。
「残業なのかな・・」
1人で見る野球は退屈だった。
先にシャワーでも浴びていようと、ソファーを後にした。
僕はいまだにシャワーを浴びていたことを後悔していた。
そしてその日に限って家路を急いだ妻は、殺された。
名前も知らない男に殺された。
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