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『ア…アリサが待ってるからあたしも逝かなきゃなんないのっ!…アリサもあたしも…一人ぼっちだから…体を売ることしかできなくて……男なんて信用できなくてっ…金があったって………一番欲しいものは何も手に入らなかった…』
何とか腕から逃れようとする美華を、総司は決して離すまいと一層強く抱きしめた。
近藤は歯を食いしばって涙し、土方は腕を組み眉間にしわを寄せて目を閉じている。
「なぁ…姉ちゃん、本当は死にたくなんかねぇんだろ?生きたくて、何かを得ようとして必死にもがいてたんだろ?大切なダチが逝っちまって…そりゃ哀しいけどよ、死んだって欲しいものなんて手に入らねぇぜ。男が信用できねぇってのは俺も耳が痛いけどよ…好きでもねぇ男に抱かれるなんて辛かっただろうけど…体だけじゃねぇ何かを、姉ちゃんは男共に求められていたんだよ。それだけの価値が姉ちゃんにはあるんだよ…生きる価値が……だから死にてぇなんて言うんじゃねぇよ」
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