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『……信じて裏切られるのが怖いの。本当のあたしがわからない…男の前で愛想振り撒いて、いつも元気で明るいミカと…家に帰って一人でボーッとして、休みの日も家で引きこもってる暗い美華と……みんなが求めてるのは明るいミカで…本当のあたしは後ろ向きで、いつまでも過去を引きずって…なのに無理して笑って………本当のあたしを見せるのが怖い…』 「ありのままの美華さんに自信を持ってください。あなたは目を覚ましてたった数時間の間にこんなにも泣いて、大きな声を出して、そして笑ったじゃないですか…無理に笑顔を作らなくたって美華さんは笑うことが出来るんですよ?本当のあなたを知っても、僕は決してあなたから離れようとは思わない。自然なありのままの素直な美華さんを、もっと知りたいと思っています。…ね?近藤さん」 そう言って総司は近藤を見た。
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