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「美華さん!美華さんの好きな色は何ですか?」
近藤から貰ったお金を財布に入れながら総司は言った。
『え…と、いつも黒が多いけど…』
「美華はまだ若いし、別嬪(べっぴん)なんだから明るい色が似合うんじゃないか?なぁ、総司」
美華を見て近藤は言った。
「そうですよ、美華さん!折角なんだから明るい色にしましょう!じゃあ僕は急いで買ってきますねっ!!」
そう言って総司は部屋を飛び出した。
部屋に二人きりになった美華は、恐る恐る近藤の方を見て言った。
『…ねぇ、近藤さん。本当にいいの?』
足を崩して胡座(あぐら)をかいた近藤は不思議そうな顔をして美華を見た。
「ん?何がだ?」
『だって…こんな得体の知れない女を住まわせて…街の人に何て言われるか…』
「はっはっはっ!美華はそんなことを気にしとるのか?好きに言わせておけばよい。それに私達はすでにこの京の街では後ろ指さされてるからな」
『…あ、壬生狼(みぶろ)って呼ばれてること?』
「ほぅ、本当によく知ってるな。私達も付いてるから美華は心配するな!」
大きな口を開けて笑う近藤を見て、美華も少しだけ笑顔になった。
そんな美華を見て近藤は大きく頷いた。
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