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「あっ、ぱっつぁん!」
「おーい!新八ィ~お前何してんだよ?今日は非番だろ!?」
道場に来た永倉は、壁にもたれる痩せ型の男と胡座をかいて座った大男を見つけて近付いて行った。
「土方さんに言われちまってよぉ」
ガックリと肩を落として永倉は言った。
「朝食の後もすぐに近藤さん達とどっか行ってたし…何かあったのかよ?」
痩せ型の男が永倉に聞いた。
「実はよ…昨日、総司の組と俺の組で巡察行ったら変な女を拾ったんだ…」
「なぁにぃぃ!?!?女だと!?新八、俺にも見せろ!!」
勢いよく立ち上がった大男は永倉に詰め寄った。
「うっせーよ!お前少しは黙ってろ!!」
永倉は竹刀で大男の頭を叩いた。
「ぱっつぁん、変って何が変なの?間者?」
痩せ型の男が問う。
「いや…よくわからねぇんだが、150年先の時代から来たみたいでよ…まぁ色々あってここで暮らすことになった。後で近藤さんから話があるだろうけどよ。…ちなみに、すっげぇ別嬪だぜ?」
ニヤリと笑った永倉は、頭を抱えてしゃがみ込む大男の顔を覗き込んで言った。
「…俺はもぅ、島原には行かねぇ。名誉挽回だ」
そう言った永倉を見て、二人は顔を見合わせた。
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