6/24
前へ
/76ページ
次へ
我に返った総司は急いで包みを広げ、腰巻きや襦袢(じゅばん=着物の下に着る肌着のようなもの)、帯を出すと下を向いたまま美華に声をかけた。 「美華さん、どちらの着物を着ますか?」 総司の手元には鮮やかな桃色と、淡い水色の二着の着物が並んでいた。 『わぁ…可愛い!沖田さん一人で選んだの?超センス良いね!じゃあ、春だしピンクにしよっかな』 下着姿で着物の前にしゃがみ込み桃色の着物を指差した美華に、総司は顔を上げることが出来ずに狼狽(うろた)えていた。 「ぴ…ぴんく?あ、桃色の方ですね…あの、それでは…身につけているものを全て外して、この腰巻きと襦袢を着てください…」 『えっ…全部脱ぐの?…沖田さん、後ろ向いてて』 「はっ、はい!ごめんなさいっ!!」 慌てて後ろを向く総司を見て、美華は下着を脱いで総司に言われたものを身につけた。 『ねぇ…沖田さん、これでいいの?』 声をかけられた総司は恐る恐る振り返り美華の姿を見た。 そこには腰巻きと襦袢だけを身につけた美華が胸を手で隠して待っていた。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

454人が本棚に入れています
本棚に追加