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「わっ、はい…大丈夫です、完璧です!じゃあ着物を着ましょう、早く着ましょう!!」 総司は物凄い早さで着物を広げると、素早く美華の後ろに立ち着物を着せはじめた。 『ねぇ、沖田さん。さっきも聞いたけど、これ沖田さんが一人で選んだの?』 美華は両手を広げながら総司に聞いた。 「はい、手の空いたお店の方がいなくて…気に入りませんでしたか?」 自分の手元だけを見ながら総司は答えた。 『ううん、すごく可愛い…嬉しい。ありがとう、沖田さ…』 「姉ちゃーん!入るぞぉおぉぉぉお!?」 美華が笑顔で総司にお礼を言っていたら、突然襖が開き永倉が顔を出した。 『あっ!永倉さーん。見て~沖田さんが買ってきてくれたの!』 「みっ…美華さん!まだ着替え終わってないですよっ!!」 まだ襟(えり)がはだけた状態の美華は、気にすることなく永倉に手を振っている。 「永倉さん!早く襖を閉めてください!!」 総司は慌てて美華の襟元を正し、帯を締めながら叫んだ。 「総司!お前ずるいぞーっ!」 本日三回目の鼻血を擦りながら、永倉は部屋の外で吠えていた。
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