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「何があったって…こんな騒ぎは日常茶飯事じゃないか。タチの悪い輩(やから)が多いからねぇ。どうせ肩がぶつかっただの何だのそんなことだろうよ」 女将はうんざりしたように外に視線を移した。 『いつの時代にもそんな奴らがいるんだね…』 呟いた美華を見た女将は、美華の正面に腰を下ろした。 「お嬢さんは見かけない顔立ちだねぇ…あら、目が青いんだね!へぇ~メリケンかい?」 美華の顔をまじまじと見て女将は言った。 『めりけん?よくわかんないけど、あたしの目が青いのは父親が多分、日本人じゃないからだよ』 あまりにも真剣に見つめる女将に、笑いを堪(こら)えながら美華は答えた。 「しっかし、綺麗な色だねぇ。肌だって真っ白いじゃないか。それだけ別嬪なら引く手数多(あまた)だろ?」 若干、興奮気味に女将は話しつづける。 そして再び目線を外に向けてニヤッと笑った。 『ちょっと、おばさん!さっきの二人はそんなんじゃないよ!!それに恋なんて今までしたことないし…』 美華は慌てて言い返す。
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