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『ねぇ、あたし…本当にみんなのお世話になっていいのかな?戦うことも出来ないし、この時代のことだってよくわからないし…』
「何言ってるんですか。こんな物騒な時代の、こんな物騒な街に美華さんのような女性を放り出すことなんてしませんよ。まぁ、何かしら仕事はするでしょうけどね、例えば女中とか」
不安そうに口を開いた美華に、総司は言った。
『じょちゅう?』
聞き慣れない言葉に美華は首を傾げる。
「女中ってのは、飯を作ったり掃除や洗濯なんかをする人のことだ。これくらいなら姉ちゃんでも出来るだろ?」
「そうと決まれば近藤さんに聞いてみましょう!女将さん、お勘定お願いします!」
「さてと、じゃあ屯所に戻るか。姉ちゃん行くぞ!」
『え…うん。女将さん、ご馳走さまでした』
女将に笑顔で見送られ、三人は蕎麦屋を後にした。
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