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「近藤さーん、入りますよ!…あれ、土方さんに山南さん」 「お、総司に美華か。入れ入れ。山南、この女子が今話していた美華だ」 総司の後ろから顔を出した美華は、近藤の隣に座っている眼鏡をかけた優しそうな男を見た。 「やぁ、君が例の女性ですか。私は…」 『山南敬助…さんで合ってる?サンナンとヤマナミのどちらが正しいかわからないんだけど…』 名前を言い当てられて驚いた表情をしていた山南は、美華を見てにっこりと笑った。 「いやぁ…驚いたな。私はサンナンだよ。よく間違われるんだ。先程、美華さんの話を近藤さんと土方君から聞いたのだが…どうやら本当のようだね」 山南はそう言って、近藤と土方に目を向けた。 「あぁ、美華の持ち物も見せてもらったが…確かにこの時代には到底考えられない物ばかりだ。行き場所もないことだし、ここに置いておこうと思ってな」 近藤は美華を見て優しい顔で言った。 「そのことなんですが、美華さんには女中をしてもらうってのはどうですか?」 蕎麦屋での考えを総司が言うと、今まで黙って聞いていた土方が口を開いた。 「お前、飯くらいは作れるか?」 『ご飯は作れるけど…この時代って確か、竈(かまど)だよね?使い方がわかんないから、慣れるまでは一人じゃ無理だと思う…』 土方の鋭い視線に耐え切れず、美華は総司の着物の袖を掴んだ。
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