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「……。」
『……っ、あはは!沖田さんマジ焦りすぎだし!』
みるみるうちに顔が赤くなっていく総司に、美華はこらえきれず吹き出してしまった。
「…美華さんは、僕と…いや男の人と同室で嫌じゃないんですか?僕だって男ですから、あなたのような綺麗な方と同じ部屋で過ごして何もしないとは言い切れませんよ?」
美華に笑われた総司は、ふて腐れた様子で言った。
『…沖田さんはそんな人じゃないと思ってたのにな。やっぱり男なんてみんな同じだね…っ!?』
総司は突然、美華を抱きしめた。総司よりも頭一つ分程背の低い美華は、総司の腕の中にすっぽりと収まってしまう。
「ごめんなさい、美華さんっ…土方さんも、せっかく僕を信用して言ったのに!僕は絶対に美華さんに手を出したりしません!」
『…これは手を出したには入らないの?』
クスッと笑った美華は上目遣いで総司を見た。
「あっ!ごめんなさ…っ!?」
慌てて美華を離そうとしたが、美華はしっかりと総司の着物を掴んでいた。
「あの…美華さん?」
総司の胸に顔を押し付けたまま離れようとしない美華。
『抱きしめられてこんな気持ちになるの初めて…沖田さんになら…手、出されてもいいなぁ……ん?』
お腹の辺りに違和感を感じた美華は、ゆっくりと視線を下に向けた。
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