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途中、土方の部屋から美華の荷物と布団を持ち、総司の部屋に入った。 6畳程の部屋には小さな机が置いてあるだけの殺風景な部屋だ。 総司は持ってきた布団を部屋の隅に置いて美華の方を見た。 「どうぞ、入ってください。狭くて驚きました?」 部屋の前に立ち尽くす美華に話しかける。 『ううん、畳って久しぶりに見たなって思って…お邪魔します』 美華は総司の置いた布団の近くに荷物を置いた。 『ミュールはどこに置いたらいい?』 持っていたミュールを翳(かざ)す。 「みゅうる?あ、その履物のことですか?押し入れに入れておきましょうか。」 総司は押し入れを開けながら美華に言った。 押し入れの隅にミュールを置いて美華は立ち上がった。 『じゃあ次は井上源三郎さんに挨拶だね』 そう言って美華は伸びをした。 袖が捲れ上がり白くて細い二の腕が覗く。 (細い腕…折れちゃいそうですよ……ん?) 「美華さん…それは?」 左の二の腕の内側にある直線の傷痕に気付いた総司は、美華に聞いた。 『あぁ…ちょっと色々あって…』 美華は伸ばしていた腕を下ろして後ろに持っていく。 『…そんな憐(あわ)れみの目で見ないでよ~!』 取って付けたような笑顔で総司を見た。 「いえ、そんなつもりは…すみません」 『謝られても困るんだけどね。まぁいいから早く行こう?』 襖を開けた美華は振り返って総司に言った。
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