13人が本棚に入れています
本棚に追加
神崎まこ。
ちっちゃくて、細くて
似てる。
そう思った。
誰かに振り向くことなんて久しぶりだった。
誰かを追いかけることなんて久しぶりだった。
むしろ避けていた。
むしろ忘れたかった。
あの忌々しい日のことを。
ただ重ね合わせているだけかもしれない、ただもう失いたくないだけなのかもしれない。
でも、それでも・・・・。
「じゃあさ、俺のこと女だと思ってよ」
彼女が赤の他人だと言うことも、彼女は無関係だということも、そう分かっているはずだった。
でも、自分自身という存在は、そんな概念もたやすくはねのけ、"今度こそは"なんて思考が働くばかりだ。
分かってる
守れなかったのは全て自分の所為だという事も。
君の翼をもぎ取ってしまったのは自分の所為だという事も。
俺の所為
俺が悪い
俺が気がつかなかったから
俺が助けられなかったから
俺が、俺が、俺が・・・・!
「俺さ、どうにも君が気になるみたいでさ」
罪は洗い流されることはない。
罪は、消えることはない。
「少しでも仲良くなりたいみたいなんだ」
君を殺したのは
他でもない
自分自身だから。
・
最初のコメントを投稿しよう!