13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここの体育館でさ、ライブやんでしょ!?」
『えっ、えっ!?』
「だからさ、まこもおいで」
『え、どこに・・・』
「おいで」
有無を言わさず腕を引きずられ、私の体は一本杉から引きはがされた。
瞬間、にこやかに笑う彼の後ろで、「・・・バカ」なんて囁きが聞こえたのは、気のせいだったのだろうか。
そういえば、ライブがどうとか言っていたけど、この人達もライブが目的なんだろうか。
・・・背負ってるのって、ギターとかなのかな。
『って!!』
「ん?」
『近い近い近いっ!!』
気がつけば至近距離まで体を密着させられていて、思わず鷹丸の体を押し飛ばした。
結構な強さで押したのにも関わらず、彼は少し揺らいだぐらいで、繋がれた手はそのままだった。
その細いからだでも、筋肉はしっかりついているらしい。
「まこはちっちゃいな」
『なっ!?』
さっきからこんな風にくっついてくる意味が、全く分からない。
私の髪をくるくると弄ぶ彼は、にこにことした笑みを浮かべながら、私へと話しかけてくる。
もちろん会ったのも初めてだし、話したことだってない。
・・・もしかして、というか、やっぱり
『不良だ』
そうに違いない。
・
最初のコメントを投稿しよう!