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後者裏の小さな出入り口の隣に座り込むと、そこはひどく小さなスペースのように感じた。
実際は確かに小さなスペースなのだが、自分が此処にはいないかのような妙な感覚。
こんなお祭り事、自分には向いていないのだろうか。
他校の男子生徒や、私より幾分か年上、もしくは年下の男の人がいっぱいくる。
・・・怖い。
小さく指先が震えだし、ごまかすようにその指で乱れた髪の毛をすいた。
全部全部あの人のせいだ。
自分がこんなに男の人が怖くなってしまったのは、全部あの人のせい。
滴る赤い液体と、狂った笑みが私の瞼を焼いた。
『・・・っ』
しまい込むように、もう一度固く鍵をかけるように、自分の両肩を抱き抱えた。
「まこ!!」
『っひゃ!』
勢いよくあいた裏口からは、見知った顔がひょっこりと顔を出していたのだった。
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