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「捕まったのか、神崎?」
「みたいだよ、大変だったみたいだけど」
学校一番のかわいさを誇る神崎まこ。
栗色のストレートな髪の毛は、肩より少し長い位置間までのばしてある。
目に少しかかるぐらいの前髪からは、長いまつげと大きな薄茶色の瞳。
透明な色白の肌には、誰もが目を奪われた。
少々ドジで、そんな危なっかしい面から、彼女の周りには世話焼きの女子が集まるらしい。
「幸太君、どうかしたの?」
「ん?あ、何でもない」
「暇なら私と一緒に・・・」
「・・・じゃ、俺行くわ」
隣のクラスの子の誘いを断り、俺は自分のクラスへ向かい歩き出した。
どうしてだろう。
こんな時でも、神崎のことが気にかかってしまうのは。
あいつは自分からは男子と関わろうとしない。
理由を聞けば、男子が怖いから、らしい。
一体何があった?
どうして怖い?
『やっ、やだぁっ!!』
「まこっ!!」
向かう先から聞こえた声に顔を上げれば、そこには見慣れない彼女の姿があった。
教室から飛び出したその存在に、目を奪われた。
「・・・神崎」
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