文化祭

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「よし、出来た!!」 「まこちゃん可愛いー」 無理矢理着替えさせられたメイド服。 今すぐにでも脱いでしまいたい。 恥ずかしすぎて思わずしゃがみ込んだ私を、ずりずりと引きずりながら真弓は外へと出た。 『・・・っ』 一斉にこちらを向いた視線が、怖くて仕方がなかった。 クラスの女子、クラスの男子、ほかのクラスの女子、ほかのクラスの男子、一般の客。 ざわざわと何かを言っているが、うまく聞き取ることが出来ない。 「待ってたんだよねー、まこちゃん」 「ちょっと、触るのはだめよ」 「いーじゃん、ちょっとぐらい」 不意に引かれた右手の体温が、記憶を鮮明に写しだした。 幸 せ だ よ な ? 『や・・・』 狂った愛が、私の胸を突き刺した。 .
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