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久史は抱きついてきた綾の頭を撫でながら、
「何やってんだよ~💦」
と笑った。
久史はいつも(毎回)そうだ。
綾を責めるような言葉を口にした事がない。
“どうして電話に出ないんだよ❗”
とか
“なんで、いきなりあんなメール送ってくんだよ❗”
…そんな事は一言も言わなかった。
泣いてる綾を必死に笑わせようと一人漫才が始まる。
一人でボケて一人でツッコミ‥
綾はそれに幾度となく笑わせられてきていた。
案の定、綾は久史を見て泣き笑いに変わった。
綾が落ち着くと
「どうした?」
少しだけ微笑んで久史が言う。
綾は正直にお母さんから電話があった事を伝えた。
久史は考える事もなく綾にこう言った。
「綾は何も心配すんな。ババァにも俺からちゃんと言っとくから💢ごめんな…💦」
綾はその言葉を聞いてホッとした。
だけど…
久史くんのお母さんにはもう会えないな💧
そう思うと複雑な思いもした😔
すると久史はこう付け加えた。
「俺たち本当にやましい関係じゃないのにな💦友達なのにさ⤵⤵」
「ほんとだよね~💦」
綾はそう言ったが、本当はこの時思わぬ程ショックを受けていたのだ。
『友達』
確かにそうだ。
間違ってない。
二人でお酒を飲んでいても、愚痴を言えば慰め合い、頭を撫でる事はあっても『不倫』と言われる行為はなかった。
久史は本当に綾を友達として見ていたのだろうか???
しかし、綾は違っていた。
もうずいぶん前から
「やっぱり久史くんが好き❗」
そう思っていた。
綾の心は確実に『友達』を演じていたのである。
その思いは胸の奥に秘めてね。
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